まずはシナリオ。相変わらず良かったと思う。
一話から三話までに散りばめた複線を第四話で消化しつつ、そこに成歩堂を絡めることで前作までのプレイヤーを満足させる作りはさすが。表面上では一見何の関連性も無さそうなシナリオを、突き詰めると全てが1点に集中していて、全話を通じることで初めて全貌が見えてくるところなんて、やっぱり上手いなーと。話に緩急をうまく付けているのでシナリオにどっぷりはまる。逆裁1〜3までの手法をギュッと濃縮したような感じだと思った。
新しく導入された法廷パートでの「みぬく」も斬新。
今まで探偵パートは「サイコ・ロック」「カガク捜査」といった新要素があったけど、法廷パートに関しては一作目から「ゆさぶる」と「つきつける」の2点しかなかったわけで、これに新しい要素を加えたのは効果的。探偵パートでも犯行現場の立体化などの新システムは良いね。あの二次元マップがズズズとせり上がってくるのは面白い。
一方、残念なところ。
1.法廷パートで張り合いがない牙琉検事が弁護士に友好的で、検事vs弁護士という感じどの法廷でも感じられなかった。常に二人三脚で事件の真相を追究していたから、王泥喜が自立しているように感じる場面が少なく、周りに振り回されているように感じた。第四話で成歩堂として法廷に立ったときに、成歩堂がすごく頼もしく見えたのは多分そのせいだろう。王泥喜は新米弁護士だから、あえてそういう風に見せたのかもしれないけど。いつまでも振り回されるのは嫌だ。
ついでにもうちょい書いてみよう。
前作までのライバル・御剣は、何がなんでも有罪判決をもぎ取り、時には証拠の捏造までする人間。そんな奴が「蘇る逆転」で成歩堂と二人三脚で真相を究明したからこそ印象深かったのに、"終始手を引くだけのお兄さん"的な牙琉検事じゃ対戦相手としては役不足。もっともっと鋭いツッコミでこちらを追い詰めて欲しかった。
2.キャラクターが崩れなさすぎ逆転裁判といえば、突っ込まれた証人や検察が取り乱した挙句のすざまじい形相がプレイしている上での楽しみのひとつ。御剣すらも鋭いツッコミの前では目を剥いて震え、二枚目キャラにも容赦なかった。
だから今作でも新しいキャラと出会う度に「コイツは崩れたらスゲェだろうな、うへへ」なんて思いながらプレイしてたのに今回のキャラと来たら。一番激しく崩れたのは多分ラストの牙琉兄だと思うんだけど、あれでもヌルすぎる。牙琉弟に限っては検察席で頭か抱えるか汗たらすだけ。奴こそ取り乱して欲しかったのにな。
3.宝月茜のイトノコ化これは個人的に思い入れのあるキャラだったから、特に取り上げて欲しかったという単なる我侭。悪かったわけじゃない。
今作はどうも茜=イトノコのようで、茜の役割は現場での情報提供と法廷での証言が殆どで「蘇る逆転」後のアメリカ留学についての説明が(多分)一切無く、科学とカリントウしか印象に残らないキャラだったのがとにかく残念でならない。姉の宝月巴に関しては匂わせる発言もたぶん無かったと思う。せっかく出てくれたんだから、何か欲しかった(単なる見落とし&忘れの可能性はある)
とまあ、思いついた三点をざざっと書いてみた。個人的には成歩堂シリーズの方がよかったかな、とは思うけど、単純に比較してGBAでの一作目「逆転裁判」より内容は濃かったと思う。ただ、上にも書いたように法廷での”追い詰める爽快感”が薄れてしまったのが残念。BGMの影響も大きいだろうけどね。成歩堂シリーズの法廷のBGMは神。
おすすめ度:■■■■■■■■□□ 8
(追記)
もうふたつ不満点を思い出した。
ひとつ目。何でか知らないけど「つきつける」ものに標準で人物を選べなくなってるよね。これ何でだろう。どう考えてもシステム的には退化してると思うんだけど…。
ふたつ目。別に不満じゃないんだけど、作中に出てくる一部のキャラ(具体的にはミナミとマコト)のドットの絵柄が他と違う感じで違和感が…。なんていうか生気がない。気のせいかもだけどヽ( ´ー`)ノ
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